WordPressでウェブサイトを運営していると、「投稿」や「固定ページ」以外のコンテンツタイプが必要になることがありますよね。そんな時に役立つのが「カスタム投稿タイプ」です。
このガイドでは、カスタム投稿タイプとは何か、そして標準の投稿タイプである「投稿」と「固定ページ」と何が違うのかを、初心者の方にもわかりやすくステップ形式で解説します。
ステップ1:WordPressの標準投稿タイプをおさらい
まず、WordPressに標準で備わっている2つの主要な投稿タイプについて理解しましょう。
1. 投稿 (post)
- 目的: ブログ記事、ニュース、お知らせなど、時系列で情報を発信するのに適しています。
- 特徴:
- カテゴリーやタグで分類できます。
- アーカイブページ(一覧ページ)が自動的に生成されます。
- RSSフィードで配信されます。
- 新しい記事がトップに表示されるなど、時系列での表示が基本です。
2. 固定ページ (page)
- 目的: 「会社概要」「お問い合わせ」「プライバシーポリシー」など、階層構造を持ち、時系列に左右されない情報を掲載するのに適しています。
- 特徴:
- カテゴリーやタグによる分類は通常ありません(追加することも可能ですが、一般的ではありません)。
- 親子関係を持たせ、階層構造を作ることができます。
- 時系列ではなく、サイトの主要な情報として常にアクセスしやすい場所に配置されます。
ステップ2:カスタム投稿タイプとは?
カスタム投稿タイプとは、上記「投稿」や「固定ページ」とは別に、あなた独自のコンテンツタイプを新しく定義できる機能です。
例えば、以下のような情報を管理したい場合に便利です。
- 不動産情報: 物件名、価格、間取り、所在地など
- 商品カタログ: 商品名、価格、商品説明、在庫数など
- お客様の声: お客様名、評価、コメントなど
- イベント情報: イベント名、開催日時、場所、参加費など
- ポートフォリオ: 作品名、制作時期、使用ツールなど
これらの情報は、「投稿」や「固定ページ」で管理しようとすると、カテゴリーやタグだけでは整理しきれなかったり、入力項目が不足したりすることがあります。カスタム投稿タイプを使えば、それぞれの情報に特化した入力欄や分類方法を設定でき、管理や表示が格段にしやすくなります。
ステップ3:標準投稿タイプとカスタム投稿タイプの主な違い
では、具体的に標準投稿タイプとカスタム投稿タイプは何が違うのでしょうか?
特徴 | 投稿 (post) | 固定ページ (page) | カスタム投稿タイプ |
---|---|---|---|
主な用途 | ブログ記事、ニュースなど時系列の情報 | 会社概要、お問い合わせなど階層的な静的情報 | 特定の目的(商品、不動産、イベント等)に合わせた独自のコンテンツ |
分類 | カテゴリー、タグ | 通常なし(階層構造で管理) | カスタムタクソノミー(独自のカテゴリーやタグ)を作成可能 |
入力項目 | タイトル、本文、アイキャッチ画像など標準的な項目 | タイトル、本文、アイキャッチ画像など標準的な項目 | カスタムフィールドを使い、必要な情報(価格、所在地、開催日時など)を自由に追加可能 |
URL構造 | 通常 /年/月/日/投稿名/ や /投稿名/ など |
通常 /ページ名/ など |
自由に設定可能(例:/products/商品名/ 、/event/イベント名/ ) |
管理画面の表示 | 「投稿」メニュー | 「固定ページ」メニュー | 独自の専用メニューとして表示される(例:「商品」「イベント」) |
テーマの対応 | ほとんどのテーマで標準対応 | ほとんどのテーマで標準対応 | テーマ側で表示用のテンプレートファイル(例:single-product.php )を用意する必要がある場合が多い |
ポイント:
- 柔軟性: カスタム投稿タイプは、コンテンツの種類に合わせて分類方法(カスタムタクソノミー)や入力項目(カスタムフィールド)を自由に設計できるため、非常に柔軟性が高いです。
- 管理のしやすさ: 専用の管理メニューが作られるため、他のコンテンツと混ざらず、目的の情報を探しやすく、管理しやすくなります。
- URLの最適化: コンテンツに合わせたわかりやすいURLを設定できるため、SEOの観点からも有利になることがあります。
ステップ4:カスタム投稿タイプのメリットまとめ
カスタム投稿タイプを利用する主なメリットをまとめると以下のようになります。
- コンテンツの整理・管理が格段に向上する:
* 情報が種類ごとに整理され、サイト構造が明確になります。
* 専用の管理画面で、他の情報と区別して効率的に管理できます。
2. 入力作業が効率化・標準化される:
* カスタムフィールドを使うことで、必要な情報項目をあらかじめ用意でき、入力漏れを防いだり、入力形式を統一したりできます。
3. ユーザーにとって情報が探しやすくなる:
* コンテンツに合わせたURLや、専用のアーカイブページ(一覧ページ)を作成することで、ユーザーが必要な情報にたどり着きやすくなります。
4. サイトの専門性が高まる:
* 特定の情報に特化したコンテンツタイプを持つことで、サイトの専門性を打ち出しやすくなります。
5. テーマやプラグインとの連携:
* 多くのテーマやプラグインがカスタム投稿タイプに対応しており、機能を拡張しやすいです。
カスタム投稿タイプは、WordPressサイトの可能性を大きく広げてくれる機能です。最初は少し難しく感じるかもしれませんが、基本的な概念と標準投稿タイプとの違いを理解すれば、あなたのサイト運営がより快適で効率的になるはずです。
ぜひ、あなたのサイトに必要なコンテンツの種類を考え、カスタム投稿タイプの活用を検討してみてください。